プッシュプル型換気装置
プッシュプル型換気装置とは
作業環境の中には、粉塵、ガス、悪臭、蒸気、高熱等、種々雑多な有害物質が存在しています。
これら有害要因による悪影響を除去し、作業環境の改善を実施する上で局所排気は欠くことのできない非常に有効な手段といえます。
プッシュプル型換気装置は、清浄な空気を吹き出しエアーカーテンを形成するプッシュユニットと、排ガスを吸引して換気するプルユニットを一体化したものです。
送風機を運転して、外部の新鮮な空気をプッシュユニットから吹き出し、槽の上部にエアーカーテンを形成します。
プッシュユニットからの吹き出し気流と、プルユニットによる吸引気流は、それぞれの相乗効果により、安定したDown Blow 気流となり、上方に拡散しようとする ガス等を遮断すると共に、プルユニットの吸引ロヘと誘導し、濃度の濃い酸性ガスを発生源の局所において吸引排出させ、作業環境を快適なものとします。
特徴
常に整流された新鮮な空気で、均一に遮断するので、有害物質が工場内に拡散するのを効率よく防止します。
従来のプルダクトあるいはプッシュ・プルダクトと比較すると、その吸引流量は約1/2ですみ、ランニングコストを節減し、かつ、スクラバー等の排ガス処理設備の能力も比例して小さくなり、効率的に使用できます。
装置全体がコンパクト化され、吸引ロ幅も従来のものの約1/4と小さく、設備費の低減と作業性の向上を実現します。
主な用途例
■ドラフトチャンバーのエアーカーテン装置用として使用すれば、従来型のドラフトチャンバーよりも排気量を抑えて排気を行うことができます。
■薬品槽及びメッキ槽などの、臭気、有毒ガスを飛散させずに少風量にて強制排気を行う事ができます。
■粉体をドラム缶等に投入する際、粉体の飛散防止を削減し従来型のフードよりも排気量を抑えて排気及び集塵を行うことができます。
■塗装ブース等の排気を少風量にて行う事ができます。
プッシュプル型換気装置と局所排気装置の違い
局所排気装置には様々な形状がありますが、有害な物質を作業者が吸い込まないよう発生源の傍、又は囲い込むように吸い込み口を設け、常に吸引する風の流れを形成することで、室内に有害物質が拡散することを防ぎ、室外に排気する装置のことを指します。
プッシュプル型換気装置は、作業者の前方で発生する有害物質を、作業者の後方、又は、斜め後上方で発生させた送風口から前方へ風を送り押し流し(プッシュ)、その前方に設けた吸い込み口で吸引する(プル)ことで暴露させないようにします。