ドラフトチャンバー

ドラフトチャンバー(ヒュームフード)とは

研究・実験室内で発生する有害ガス・蒸気・臭気や粉塵を、室内に分散しないように発生源で捕捉する囲い式の研究・実験室用局所排気装置です。弊社では、研究・実験作業に適合する各種ドラフトチャンバーを規格化し、また特殊寸法や、SUS、PVC、PP製等の特注製品に対しても設計・製作から設置施工まで一貫した体制を整えております。

ドラフトチャンバーとヒュームフードに違いはありませんが、海外ではヒュームフード(fumehood,fumecupboard)と呼ばれており、日本国内においても国際的な環境安全教育の観点からヒュームフードと呼ぶことを推奨する見解があります。

ドラフトチャンバーの原理・仕組み

有害物質の漏出を抑制
ドラフトチャンバー装置前面には可動式のサッシがあり、そこから排気ファンにて空気を強制的に吸引、その空気を外部へ排出することによりサッシ開口面から外部へ向かう気流が発生します。
この気流により作業スペースは陰圧(気圧が低い状態)に保たれるため、作業者側には有害な空気が流出しない仕組みとなっています。

排気に含まれる有害物質の除去方法
ドラフトチャンバーからの排気を安全な状態で屋外へ排気させるには以下の方法があります。
● 活性炭フィルター及びケミカルフィルターを使って吸着させる
スクラバーを使用し有害ガスを吸収させる
活性炭フィルターを使用する場合は有機物質を、スクラバー・ケミカルフィルターを使用する場合は無機物質を吸収・吸着させる方法になります。
排気対策は取り扱う物質の種類や濃度によって最適な方法を選ばなければなりません。

ドラフトチャンバーの性能を損なわないための注意点
ドラフトチャンバー内の気流を維持するためには排気風量や開口面の風速が保たれている必要がありますが、外部の気流の乱れによりドラフトチャンバー内の気流へ干渉してしまうことがあります。
外部の気流の乱れの原因として、空調機の吹き出しや吸引・扉や窓の開閉による吹込み・他の機械からの排気・人の通行による気流などがあります。
出来る限り上記の要素を無くすよう努めましょう。
たとえば以下のような対策が挙げられます。
● ドラフトチャンバーを使用する時は窓を閉めたり、近くの空調機を止める
● サッシの開け閉めは必要以上に行わない
● ドラフトチャンバー使用者の背後を通らないよう周知する

ドラフトチャンバーの作業面

ドラフトチャンバーの作業面にはセラミック板・ケムサーフ・ステンレス等が用意されております。実験内容に応じて選択することができます。

セラミック板
完全無機質の陶磁器製の堅牢な一枚板です。耐薬品性・耐浸透性にすぐれ、シミやキズがつきにくく、いつも清潔に使用できます。目地加工のない一枚板ですから細菌などの汚染の激しい作業にも適します。

ケムサーフ
フェノール樹脂を表面材に用いた天板です。耐燃性と不溶性をそなえた硬質樹脂製で、耐薬品性に優れています。

ステンレス(SUS304)
耐水性と強度に優れ洗浄作業や、無菌・無塵を要求されるところにも適し、いつも清潔に使用できます。耐薬品性は酸・アルカリを除いて有機溶剤には比較的安定しています。

制御風速

国内外での文献では、サッシの前面風速は0.3~0.75m/sの範囲であるが、各国の基準では0.5m/sが引用されています。
当社では作業の安全性・経済性の観点から制御風速を下記の通りに設定しています。

■一般的な実験を行うとき(通常)
前面上下バランス窓全開時…0.25m/s(半開時0.5m/s)

■有機溶剤中毒予防規則の適用を受ける実験のとき(有機則)
前面上下バランス窓全開時…0.48m/s(最低風速0.4m/s)

■特定化学物質等障害予防規則の適用を受ける実験のとき(特化則)
前面上下バランス窓全開時…0.6m/s(最低風速0.5m/s)

特徴

  • 使い易く、機能的なドラフトチャンバーです。当社では1968年から、ドラフトチャンバーのメーカーとして、設計製作販売の実績があるため、お客様へより良いご提案をすることが可能です。
  • 弊社では、研究・実験作業に適合する各種ドラフトチャンバーを規格化し、また特殊寸法や、SUS、PVC、PP製等の特注製品に対しても設計・製作から設置施工まで一貫した体制を整えております。
  • ドラフトチャンバーの高さが高すぎると、扉を開けたときに、天井にぶつかってしまうことがあります。当社のドラフトチャンバーの規格は、日本の平均天井高(約2500mm)とのバランスを考え、作業がしやすい高さ850mmを規格としています。作業内容により高さ800mmをご希望される方も多くいます。弊社では、都度お客様に合わせた高さで製作可能です。

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